ADHDは、注意力や衝動性、多動性などの症状がみられる発達障害のひとつです。
お子さまの学習や生活、社会性の発達にさまざまな影響を与える可能性があります。
その中でも、コミュニケーションの難しさはADHDの人によくみられる問題です。
ADHDの人は話し方にもいくつかの特徴があり、それがコミュニケーションの困難につながることがあります。
しかし、親のサポートにより改善することは可能です。
今回はADHDの話し方の特徴や、改善方法を紹介していきます。
ADHDは、不注意、多動、衝動性の3つの症状が主にみられる発達障害のひとつです。
3つの症状が全て現れるわけではなく、症状の出方や度合いは人それぞれです。
ADHDの原因は完全には解明されていません。
脳機能の異常が関係しており、遺伝的な要因や、妊娠や出産時の環境要因などが影響していると考えられています。
ADHDには、主に3つの特徴があります。
それぞれ詳しく紹介していきます。
集中力を維持することが難しく、さまざまなことに意識が向きやすい傾向があります。
宿題中にもかかわらずテレビやゲームなどの刺激に気が散ってしまい、1つのことに集中することが苦手です。
そのため、宿題に必要な時間を確保することができず、期限を守れないことがあります。
約束や持ち物を忘れたり、なくしものが多かったりもします。
ずっと座っていることができずに、授業中でも立ち歩いたり、手足をそわそわと動かしたりします。
大人になると目に見える多動症状は落ち着いてくることが多いですが、手足や内面の落ち着きのなさが残ることがあります。
さらに、思いついたことを即座に行動に移す傾向があります。
順番を待てずに割り込んだり、会話の流れや雰囲気を気にせず発言したりするなどの行動が見られます。
自分の思い通りにならないとイライラして大声を出すこともあります。
ADHDのお子さまは、行動だけではなく話し方にも特徴があります。
特徴は以下の5つです。
特徴を理解して適切にサポートすることで、円滑なコミュニケーションに役立ちます。
ADHDのある人の特徴的な話し方の一つは、空気や雰囲気を正確に読み取る難しさです。
相手の感情や状況に敏感に反応することが難しく、場の空気感をうまく把握できないことがあります。
たとえば、相手が忙しそうにしているのに、自分の話を一方的に続けるなど相手の状況や気持ちに配慮せず、自分の考えや思いをストレートに伝えてしまいます。
全体よりも細かい部分にこだわってしまい、本題から逸れたり、話がまとまらなくなったりすることがあります。
相手が理解しにくい情報や詳細を過度に述べることがあり、理解を難しくさせることがあります。
話のまとまりにくさも特徴の一つです。
流れるようなストーリーを作り上げるのが難しく、話が断片的になりがちです。
多くの情報を一度に処理するのが苦手で、話しているときに必要な情報とそうでない情報をうまく整理することができず、話がまとまらないことがあります。
思いついたことをそのまま口にすることがよくあります。
頭の中で思考が速いため、即座にアイディアや感情を口に出すことが多く、その結果、相手が追いつきにくいことがあります。
話している途中で話題が飛び跳ねたり、急に新しい話題に変わったりすることがあります。
一つのことに長く集中することが苦手で、話している途中で話題を忘れたり、相手の話に集中できなくなったりすることがあります。
また、外部刺激に敏感で、周囲の音や動きにすぐに気が散ってしまいます。
会話中に外部の音や動きに気が散って、会話が中断されることがあります。
ADHDのお子さまが円滑にコミュニケーションを取るためには、会話の特徴を改善することが重要です。
お子さまの話し方を改善したい場合には、以下の方法を試してみてください。
改善策を継続して実践することで、話し方は徐々に改善されていきます。
改善策を詳しく紹介していきます。
ADHDのお子さまは自分の考えや感情をそのまま言葉に表現する傾向があり、相手を傷つけるような直接的な表現をしてしまうことがあります。
これを改善するためには、親子で状況を想定してシュミレーションすることが有効です。
たとえば、学校の授業中に先生に質問をする場面や、友達とケンカをした場面などを想定して、どう話せばいいかを練習しましょう。
練習するときは親が相手の立場になって、お子さんの言い方にどう感じるかをフィードバックします。
このフィードバックが、お子さんの話し方の改善につながります。
言葉で感情を伝えるのが苦手な場合は、動作や表情を意識して感情を伝えるようにしましょう。
自分の言葉や表情に含まれる感情を詳しく伝えることが効果的です。
子どもが嬉しそうに話しているとき、親は「嬉しそうに話しているね。何かいいことがあったの?」と、子どもの表情や言葉に含まれる感情を指摘し、具体的な内容を尋ねます。
このようにして、子どもは自分の感情を言葉や表情で表現する練習をするとともに、相手の表情や言葉から感情を読み取る練習をすることになります。
自分の考えや感情を整理するのが苦手なことがあります。
そのため、気持ちを整理する練習をしましょう。
話したい内容を頭の中で整理しながら紙に書き出し、書き出した内容を読み返して言いたいことが明確になっているか確認し、書き出した内容を相手に伝える練習をしましょう。
毎日の出来事を日記にしたり、自分の考えや感情を絵や図で表現したりすることも効果的です。
相手の気持ちや立場を考えるのが苦手で、相手の気持ちに配慮しない発言をしてしまうことがあります。
これを改善するためには、相手の気持ちや立場を考える練習をしましょう。
たとえば、相手の表情や仕草から気持ちや立場を読み取る練習をしたり、相手の気持ちを言葉で確認したりする方法があります。
親子で会話をするときは、お子さまが相手の気持ちや立場を考えられる質問をしたり、アドバイスをしたりしましょう。
相手の気持ちや考えを理解しようとする姿勢を大切にしましょう。
衝動性が強いため、しゃべってはいけない時でもつい自分の話をしてしまうことがあります。
学校や家庭でしゃべってはいけない場面やルールを決めたり、自分がしゃべってはいけない場面やルールを意識したりするようにしましょう。
ADHDの話し方の特徴は、学校や家庭生活でトラブルを起こす原因になることがあります。
話し方を改善することは、子どもの社会性や対人関係を育むために重要です。
話し方の改善には、親の理解とサポートが欠かせません。
子どもの話し方の特徴を理解し、適切なアプローチをすることが大切です。
星ノ学園ユニプレキッズでは、自分の気持ちを伝えることが苦手なお子さまや一方的に話すことが多いお子さまなど、ひとりひとりの特徴に合わせた支援を行っています。
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